畜産関係者とのグループディスカッション2025.07.02 | 活動報告

ブルセラ症や人獣共通結核などの感染リスクの理解を深めることを目的として、モロゴロ州内の畜産関係者にご協力いただき、地域ごとのグループディスカッションを実施しました。

ディスカッションでは、日常生活における家畜や野生動物を含む動物同士、ならびに人と動物との接触状況について、接触の可能性があるエリアごとに情報を収集しました。収集したデータは、家畜の病気がどのように広がるかを理解し、効果的な対策を考えるための分析に活用されます。

収集したデータの一部をご紹介します。下の図は、保全地域内において、家畜の牛の群れがさまざまな動物や人と接触する可能性を示しています。

また、異なる民族背景を持つ畜産農家の方々には、搾乳後の生乳の用途について、豆を使って視覚的に表現してもらいました。この方法は参加型疫学でよく用いられるアプローチで、割合の考え方に慣れていない人でも数値を使わず感覚的に表現できる工夫です。

その結果、生乳はそのまま牛乳として飲用されるほか、ヨーグルト、バター、ギーなどに加工されていることとその割合が分かりました。さらに、それらの乳製品が自家消費されているのか、あるいは市場などで販売されているのかについても分類してもらい、民族ごとの傾向を把握することができました。